公務員の生産性を上げるには?

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伊賀泰代氏「生産性―――マッキンゼーが組織と人材に求め続けるもの」を読んでみました。

メッセージは、一言で言うと
・生産性は成果物とその成果物を獲得するために投入された資源量の比率として計算される(=outputをinput で割ったもの)
・従って、生産性を上げるためには、成果物つまり分子を大きくすること、投入資源つまり分母を小さくすること
です。

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感覚的には理解していましたが、ここまで明確なメッセージとして書かれていたので非常に実感できました。
さらに、今の日本の公務員は、いかに「生産性」の意識が低いか、そして、結果として生産性自体も低くなっているかを意識せざるを得ませんでした。

そして、著者がいう重要な点ももう一つは、
・コスト削減(=資源量削減)は一定のところで限界に達する(なぜならば0以下にはできない)
・付加価値額を上げることは、リソースを集中して生産性を向上することであり理論上の上限はない
ということです。

これは、生産性向上→コスト削減と捉えられがちな理解は誤りであることを示すものです。

また、この一見単純は方程式をきちんと理解していないがために、陥りがちな誤りについても触れられています。

・量を追う発想が生産性を下げる(例えば、採用面接でとにかく応募者を増やす)
・日本企業は付加価値額を上げることを新たな機能を追加することや高機能化することと考えがち(逆に機能を絞ることによる付加価値の向上がある)

また、生産性向上の例についてもふんだんに触れられています。

・改善による取組-書類整理方法やファイルの共有方法の変更、フォーマットの作成、ITツールなどによる無駄な作業・書類の削減(特にホワイトカラー部門)
・革新による取組-物流ハブシステム構築など

そして、具体レベルでの助言として、マネジメントや人材育成も含めて、非常に参考になる内容が示されています。
・イノベーションのための時間を確保するために、operational の業務をできるだけ減らす(time for innovation)
・motivation for innovation
・思考は制限が設けられるとそれをバネにして異なる次元に入って行くことができる、ビジネスイノベーションとは恒常的に生産性の向上を求められる環境において改善とはすべて試みて他に何か画期的な方法はないかと考えるところから始まる
・大事なのは会議の時間を短くすることではなく会議の質をコントロール向上すること
・昨年より部門の生産性を上げることをマネジメントの評価基準にする(労働力投入型の成果の出し方は全てマイナス評価につながる)
・生産性については外部との比較視点があるといい。管理職は時系列に生産性を上げるだけではなくて業界の中とか国際的な中でもグループの生産性をあげようというインセンティブになる(例えば自分のグループよりはるかに生産性が高いグループが近くにあればそのやり方を研究し自分の組織も導入しようと考える)
・トップパフォーマーは現実に発揮している実力をその人が持つ潜在的な力で割った潜在能力当たりの生産性においては一般社員よりかなり低い。なぜなら研修プログラムを多くは平均的な社員に合わせて設定するためトップパフォーマーの力がうまく引き出せていないからである。したがって、トップパフォーマーの成長カーブが鈍化し始める前に昇格や移動を通常の社員とは別にやることが重要。ただし、年功序列型の人事制度では年齢に関わらず早期昇格をすることは難しいので出来る限り裁量権を拡大したり、難しいプロジェクトを任せるなど特別なチャレンジの機会を与える。
・本来アベレージパフォーマーの上位2割にあたるハイパフォーマーに与えるべき仕事をトップパフォーマーに与えてはいけない。このレベルにする最も典型的な仕事が部下を指導するという仕事でだが、自分よりパフォーマンスの低い人にその視線を誘導する部下の育成は目線を下げさせてしまう可能性がある。
・トップパフォーマーを育てる3つの方法として、ストレッチボールを与えること、比較対象を変えること(社内の他のトップパフォーマー、社外の同世代)
・組織の生産性向上に特に効果的なのは定期的に不要な仕事を洗い出す業務仕分けを導入すること
・常に3%と3割を意識する。3%の生産性向上はインプルーブメントによって達成すべき目標で3割の生産性向上はイノベーションによって達成すべき目標

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