
昨日、安倍首相が戦後70年談話を閣議決定しました。その内容には賛否両論あると思いますが、私は政治外交の専門ではないので、内容の評価は置いておいて、今日はそもそも「閣議決定」とは何かについて書いてみたいと思います。
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閣議決定は、簡単に言うと、内閣としての正式の意思決定をすることです。
閣議決定は全閣僚が賛成することが原則とされています。手続的には、(一部の案件を除き、)全閣僚が署名することになります。ただ、全閣僚の賛成が必要ということは法令等で明確には規定されておらず、慣行としてそうなっているだけです(一応、内閣法の「行政権の行使について、全国民を代表する議員からなる国会に対し連帯して責任を負う」という規定が根拠のようですが、明文規定とは言い難いです)。従って、仮に反対する閣僚がいた場合、理論的には、内閣総理大臣がその閣僚を罷免して閣議決定を行うことになります。
今は自民党と公明党の連立政権であり、公明党の太田国土交通大臣の署名も必要になります。このため、今回のような政治マターでは特に与党内(自民党・公明党)での事前の調整が必要になっています。
閣議は色々種類がありますが、定例閣議は火曜と金曜の朝にやっています。国会がある場合は国会が始まる前が多いです。
他には緊急の案件などがある場合は、臨時閣議や持ち回り閣議(事務方が閣議書を持って各閣僚を訪問して署名をもらっていく)が開かれます。
今回の戦後70年談話も臨時閣議で決定されました。官邸HPには、昨日の臨時閣議案件に「内閣総理大臣談話(決定)」と記されています。
閣議決定が必要な案件は色々ありますが、典型的なところでは以下のようなものです。この辺は別記事でもう少し詳しく書いてみようと思います。
・法律案の国会提出
・予算案の国会提出
・政令の決定
・質問主意書の答弁書の決定
閣議決定の他には、「閣議了解」というものがあります。これは、本来はある大臣の管轄事項でその大臣が意思決定できる案件について、内閣として正式に意思決定を行うときに用いられます。権限としてはある大臣の管轄に収まっているものでも、重要な案件は閣議に諮って内閣としての意思決定を行うということです。経験的には、あまりないような気がします。
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