国家公務員の退職の鉄則や辞めるまでの道のりを解説する

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今回は、国家公務員が民間企業に内定の後に、実際に退職するまでの手順や鉄則について解説します。
一般に想像するよりも、国家公務員が辞めることは大変です。内定を得て万々歳と思いきや、内定を得てからも苦労をしますので、転職活動前に是非ご一読ください。

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退職の鉄則0:国家公務員は補充が効きづらいので、退職交渉が想像以上に大変。

まず前提として、国家公務員に中途採用で入る人はほとんどいません。
このため、人事としては、以下のような影響が発生します。
・異動適正時期に退職する場合、人事としては異動先だったはずのポストの穴埋めをしなくてはならない。
・異動適正時期以外の退職だとしても、人事としては後任を新たに探すのが必要になる。
・夏の人事異動であれば、冬頃の人事面談を経て、新年に入って既に人事を決めているので、それ以降の辞職の申し出は人事的な影響が発生する。

まとめると、いずれにしても、人事異動上の損害を一切発生させないことは不可能になるため、退職交渉が難航し、転職面接より退職交渉の方がハードになります

 

退職の鉄則1:退職可能な日についてギリギリまで確定できないが、退職の2ヶ月前に報告すれば常識的な対応であることを信じ続けること。

一般的には、退職の2、3ヶ月前に告知していれば、社会常識としても適切とされています。

しかし、国家公務員の場合、前述のような特殊な点もあり、ギリギリまで退職日が確定しない(教えてくれない)ことがあります。

2ヶ月前以上に常識的な時期の退職で打診すれば希望日程でいけると思いますが、言質が取れないので、転職先の入社日との関係では、ある程度のリスクを取らないといけません。

また、このように国家公務員の退職は事情が複雑ですので、内定先の企業にも事情を正確に伝えておくことが必要です。例えば、何日付で辞職できるか具体的なタイミングは早い段階で教えてくれないので、入社日との調整が必要になります。

国家公務員は民間企業との兼業ができませんので、退職日と入社日が被らないようにすることが必要です。例えば、新年度から転職する場合、3月30日付け退職と4月1日付け退職では、実際に転職できる日が変わってくるかもしれません。

 

以上のように、退職日についてギリギリまで調整が必要になる場合がありますが、2ヶ月以上前に告知していれば、退職可能日が大幅にずれるというのは考えづらいので、退職日は譲るつもりはないという姿勢で、退職先と交渉することも必要です。具体的には、以下のような心持ちで退職交渉に望むことが必要でしょう。
人事異動を既に組んでいる場合、2ヶ月以上前でも遅すぎると言われることがあるが、あくまで組織の問題であって、本人の問題ではないので、屈しないこと
辞職の具体的なタイミングは早い段階で決めてくれないので、内定先の企業にも事情は正確に伝えておくこと

 

退職の鉄則2:退職理由、転職理由をはっきりさせておくこと。

本来、退職は本人の自由であり、その理由を組織に伝える必要はないのですが、国家公務員の場合、事実上転職内容を隠したまま手続を進めるのは困難です。

退職を申し出た段階で、その理由や転職先について聞かれるのが普通だと思います。
なぜなら、国家公務員は在職中の求職活動の禁止などの規制があり、人事当局としても法律違反がないかを確認するのは当然だからです。

※参照
公務員転職活動(在職中求職活動)の禁止(規制)のまとめ

したがって、国家公務員が転職する場合、転職先についての説明をきちんとできるようにしておくことが必要です。
この際に、単に、会社名を告げて法律上問題はない旨を告げるだけでは納得されず、遺留されるケースがほとんどだと思います。転職活動と同様に、自分の長期的なキャリアの中で、なぜそこに行きたいのか、明確に伝えて、納得させられるかが問われます。

具体的には、以下のような心持ちで退職交渉に望むことが必要でしょう。
慰留をされても否定されても、とにかく誠意をもって謝罪と説明を繰り返し、チャレンジし続ける1回で人事と話がつかなくても、めげずに何度も話をする

※話ができないと最終的に人事も困ります。具体的な日程交渉まで早めに進めるように、粘り強く対応することが重要です。
※法的には書面で申し出れば退職可能(人事が止めることは不可能)ですが、禍根を残すので、粘り強く話をするのが無難です。

◯人事院規則八―一二(職員の任免)(昭和二十七年五月二十三日人事院規則八―一二)
(辞職)
第七十三条 任命権者は、職員から書面をもつて辞職の申出があつたときは、特に支障のない限り、これを承認するものとする。

「退職願(申出)の法律的性質は、職員の任用が行政行為であると考えられるので、その辞職、すなわち職を離れるについても任命権者の行政行為によらなければならない。したがって、職員は、退職願を提出することによって当然かつ直ちに離職するのではなく、退職願は本人の同意を確かめるための手段であり、その同意を要件とする退職発令(行政行為)が行われてはじめて離職することとなるものである。(高松高裁昭35・3・31判決・行政裁判例集11巻3号796頁)」

鉄則3 内定前まで職場には言ってはいけないが、内定後に退職意思を固めたらすぐに報告すること。また、一度退職意思を伝えたら、絶対に取り下げないこと。

国家公務員に限りませんが、転職活動中や退職交渉中に職場の関係者に相談することは厳禁です。どこから情報が漏れるかわかりません。
職場関係者以外の相談先がない場合、相談する相手がなく、孤独な戦いになるかもしれませんが、確固たる意思で頑張るしかありません。

転職活動中に職場に言うのは厳禁ですが、内定後は速やかに上司・人事に報告しましょう。ここからが退職交渉のスタートで前述のような状況になります。

細かい点ですが、内定を受諾するかどうかについて1週間程度の余地が与えられることが多いので、内定受諾意思を示す前に、上司や人事に言った方が心証はよいかもしれません。
ただし、退職意向を示した時点で、組織からすると忠誠心に対する疑問が生じるはずなので、何を言われても転職を止めるべきではありません。退職意思を示してから1週間以内に人事が組織的に了承することはないので、順番の問題にすぎません。

退職意向を示した時点で後戻りはできないと心得て、上司・人事との調整をしながら、内定自体は受諾してしまいましょう
この際に、国家公務員の退職の際の複雑な状況をきちんと伝えておくといいかと思います。

なお、上司・人事以外への同僚については、この段階でまだ話すことはできず、人事との話がまとまった段階で話をすることになります。

(参考)実際に転職を検討される方は、こちらの記事も参考になると思います。
元官僚が教える官僚からの転職で使うべき転職サイト・エージェントの秘訣

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